プレスリリース

ビッグメモリスーパコンピュータPegasusの試験稼働開始 〜第4世代Intel Xeon、NVIDIA H100 PCIe GPU、Intel不揮発性メモリを搭載〜

2022年12月22日
国立大学法人 筑波大学

概要

筑波大学計算科学研究センターは、新たなスーパコンピュータPegasus(ペガサス)の試験稼働の開始を発表しました。演算性能、メモリ帯域幅注1)、メモリサイズを大きく向上させ、計算科学のみならずビッグデータ解析、超大規模AI分野を強力に推進します。
Pegasusに搭載される演算加速装置(GPU)は、倍精度浮動小数点演算注2)における理論ピーク性能が51 TFlops注3)(従来よりも2.7倍高速)であり、CPU(中央演算処理装置)と高帯域幅のPCIe Gen5注4)により世界で初めて接続されます。DDR5メモリ注5)(従来よりも約2倍高速)、不揮発性メモリ注6)を搭載し、大容量メモリまたは超高速ストレージとしての利用が可能です。また、ネットワークについても最新の400Gbpsネットワークプラットフォームを利用します。
Pegasusは120ノードの計算ノードで構成され、全体の理論ピーク性能はGPU部分だけでも6.1 PFlopsを超えます。筑波大学計算科学研究センターは、共同利用・共同研究拠点として、学際共同利用、HPCI注7)共同利用、一般利用などの各種利用プログラムにより、Pegasusを全世界のユーザに提供し、さらなる計算科学の発展に寄与します。

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仕様 

システム名称

Pegasus

製造

NEC

全体性能

> 6.1 PFlops

ノード数

120

ネットワーク

NVIDIA Quantum-2 InfiniBandプラットフォームによるフルバイセクションファットツリーネットワーク

並列ファイルシステム

7.1PB DDN EXAScaler (帯域幅40 GB/s)

計算ノード

CPU

第4世代Intel Xeonスケーラブルプロセッサ(旧コードネームSapphire Rapids)(48コア)

GPU

NVIDIA H100 PCIe GPU (FP64テンソルコア演算51 TFlops、80GB HBM2E、2 TB/s)

メモリ

128GiB DDR5 (282 GB/s)

不揮発性メモリ

Intel Optane不揮発性メモリ(コードネームCrow Pass)

SSD

2 x 3.2TB NVMe SSD (7 GB/s)

ネットワーク

NVIDIA Quantum-2 InfiniBandプラットフォーム (200 Gbps)

 

本スーパコンピュータについてのコメント 

筑波大学計算科学研究センター長 朴泰祐教授
「ビッグデータやAIは、これまで注力してきた高性能計算科学と並ぶ重要な研究テーマの一つです。大容量メモリと高性能なAI処理機能を備えた新型マシンを導入することで、優れたデータサイエンスに向けて研究領域を拡大するための新たなツールとなるはずです。」

筑波大学計算科学研究センター高性能計算システム運用開発室長 建部修見教授
「データ駆動型科学やAI駆動型科学では、これにより、消費電力を抑えつつコストパフォーマンスに優れながら、高帯域の大容量メモリ、超高速ストレージの要求を満たすことができ、アプリケーション性能の向上が図れます。 また、不揮発性メモリを活用した大規模データ解析の新分野、ビッグデータ・AIの新用途、システムソフトウェア研究なども育成していきます。」

NEC先端プラットフォーム事業部門マネージングディレクター 茂垣泰夫氏
「この度、筑波大学計算科学研究センター様がビッグメモリスーパコンピュータシステムとして、当社のLXシリーズを導入いただきまして、大変光栄です。今回のシステムは、Intelの次期 Xeon CPU、次期 Optane 不揮発性メモリ、NVIDIAの最新GPUからなる、画期的なアクセラレーションを実現する世界初のシステムであり、当社が持つ技術力を結集して、先進的な計算科学に貢献してまいります。」

IntelデータセンタAIグループVP兼GM ドンカニングハム氏
「筑波大学が、今後発売予定の第4世代インテルXeonスケーラブルプロセッサとOptane不揮発性メモリ300シリーズで新しいスーパコンピュータの構築を計画していることを大変うれしく思っております。これはIntelアーキテクチャが高性能コンピュータにもたらす価値を実証しています。」

NVIDIAハイパースケールとHPC VP イアンバック氏
「エクサスケールHPCとAIの時代に突入する中、NVIDIAはNVIDIA H100 GPUを使用して研究者が大規模な課題に取り組むことを可能にします。筑波大学が採用したことで、研究者は同じAIパフォーマンスを3.5倍のエネルギー効率と3倍の総所有コスト削減で実現できるようになります。」

株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン 代表取締役社長 ロベルト・トリンドル氏
「この度DDNは筑波大学計算科学研究センター様の革新的なPegasusプロジェクトをご支援できることを大変光栄に思います。
筑波大学のチームの皆様と協力して、新しいメモリアーキテクチャとローカルノードにおける永続的メモリなどを利用するストレージソリューションをグローバルな共有ストレージとより良い統合を目指すことを楽しみにしています。」