プロジェクトの経緯

筑波山山頂における気象観測は、1893年(明治26年)の中央気象台(現・気象庁)による冬季観測に始まりました。1902年(明治35年)、旧皇族の山階宮家により「山階宮筑波山測候所」が開設され、通年の気象観測が開始されました。7年後には、国に施設が寄贈され、「中央気象台附属筑波山測候所」となりました。100年以上にわたり我が国山岳気象観測の拠点としての役割を担ってきましたが、アメダス(地域気象観測システム)観測地点の統廃合により2001年(平成13年)12月に廃止されました。

2006年1月、筑波大学大学院生命環境科学研究科の大気科学・水文科学研究グループでは、平成17年度学内プロジェクト研究・特別助成研究(S)「筑波山における気象・水文環境の多要素モニタリングによる大気・水循環場の解明(略称:筑波山気象・水文観測プロジェクト)」(代表:林 陽生教授)により、筑波山気象観測ステーションを始動させました。地球環境問題も視野に入れた大気・水循環場の総合観測研究プロジェクトとして、新たに天気計、画像カメラ、二酸化炭素測定、酸性雨観測なども加えての開始となりました。「筑波山気象・水文観測プロジェクト」については、Hayashi et el.(2006)にて詳述されています。

この「筑波山気象・水文観測プロジェクト」は、2012年4月より計算科学研究センターの事業の一つとして、新たに「筑波山プロジェクト」(担当:日下博幸教授)として引き継がれることとなりました。