計算科学の国際ハブ拠点形成に向けて
室長 稲垣 祐司 教授
本センターでは、科学諸分野と計算機科学の連携・協働による「学際計算科学」を中心的なコンセプトとして研究活動を行っています。学際計算科学連携室は、計算科学の国際ハブ拠点形成に向けた本センターの取り組みの一環です。
■異分野間連携
学際計算科学を推進するためには、異分野間の連携が重要になります。2011年に理化学研究所、筑波大学、東京大学および富士通による研究グループは、スーパーコンピュータ「京」を用いた10万原子シリコン・ナノワイヤの電子状態の第一原理計算の研究成果により、高性能計算分野では著名なゴードン・ベル賞の最高性能賞を受賞しました(プレスリリース)。これは本センターにおける長年の異分野間連携の成果の1つといえます。これからも異分野連携を進めてまいります。
■国際連携
国際的な連携として、世界各地の拠点とMOUを結び共同研究や研究交流を行なっています。
筑波大学と英国エジンバラ大学および米国ローレンス・バークレー国立研究所との連携協定に基づき、エジンバラ大学並列処理センター(EPCC)とシンポジウム、米国ローレンス・バークレー国立研究所とワークショップを毎年開催し、計算科学の研究交流を深めています。また、韓国科学技術情報研究院(KISTI)とHPCウィンタースクール・ミニワークショップを毎年開催し、学生も含めた研究交流を進めています。
CCSとローレンス・バークレー国立研究所との共同ワークショップ2019
過去の開催一覧
CCSとエジンバラ大学との共同ワークショップ
2022年 12/14-15 @EPCC
2022年 3/30-31 @Online
2021年 3/25 @Online
2019年 12/3-4 @CCS
2018年 12/3-4 @EPCC
2017年 12/7-8 @CCS
2016年 6/16-17 @EPCC
2015年 3/9-10 @EPCC
CCSとローレンス・バークレー国立研究所との共同ワークショップ
2022年 3/24-25 @Online
2021年 3/26 @Online
2019年 3/6-7 @LBNL
2018年 3/5-6 @CCS
2017年 4/20-21 @LBNL
2016年 5/12-13@CCS
2015年 5/28-29 @LBNL
2014年 4/10-11 @CCS
CCSとKISTIとの合同ウィンタースクール
2023年 2/20-21 @CCS
2018年 2/20-22 @CCS
2017年 2/21-23 @University of Seoul
2016年 2/15-16 @CCS
2015年 1/20-22 @Seoul National University
2014年 2/24-27 @CCS
MOU一覧(2021.9.10現在)
Lawrence Berkeley National Laboratory (ローレンスバークレー国立研究所) |
Univaersity of Alaska Fairbanks, U.S.A (アラスカ大学フェアバンクス校) |
University of Bergen (ベルゲン大学) |
CENTRE FOR VISION, SPEECH & SIGNALPROCESSING, UNIVERSITY OF SURREY (サリー大学) |
CURTIN UNIVERSITY (カーティン大学) |
VNU UNIVERSITY OF SCIENCE, VIETNAM NATIONAL UNIVERSITY, HANOI (ハノイ自然科学大学) |
THE UNIVERSITY OF MISSOURI(MU), USA (ミズーリ大学) |
INSTITUTE OF CHEMISTRY – CENTER FOR GLYCOMICS, SLOVAK ACADEMIY OF SCIENCE, SLOVAKIA (スロバキア科学アカデミー) |
UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY OF HANOI (ハノイ工科大学) |
DEPARTMENT OF CHEMISTRY, UNIVERSITY OF ILLINOIS URBANA-CHAMPAIGN, U.S.A. (イリノイ大学アーバナシャンペーン校化学科) |
INSTITUTE OF ATOMIC AND MOLECULAR SCIENCES, ACADEMIA SINICA, TAIWAN (台湾アカデミア・シニカ原子分子科学研究所) |
INSTITUTE OF CHEMISTRY, ACADEMIA SINICA, TAIWAN (台湾アカデミア・シニカ化学研究所) |
URBAN CLIMATE REASARCH CENTER, ARIZONA STATE UNIVERSITY, USA (アリゾナ州立大学気候研究センター) |
The School of Phyisics and Astronomy , The University of Edinburgh , The United Kingdom (エジンバラ大学) |
University of Alaska Fairbanks , USA (アラスカ大学フェアバンクス校) |
The Regents of the University of California (カリフォルニア大学) |
Royal Meteorologocal Institute of Belgium (ベルギー王王国王立気象研究所) |
4者間協定 1. Holon Institute of Technology, Israel 2. Azerbaijan Medical University, Azerbaijan 3. I. T. G. Innoative Technologies Group, Azur, Israel |
■学際開拓プログラム
学際開拓プログラムは、異分野間連携に重点をおいて行う研究の推進を奨励するものです。計算物理学分野(理学)と数値解析分野(工学)が連携を図り、実行効率の高い計算コードの生成とこれによる大規模シミュレーションを行うプロジェクトや、計算科学分野で手法を同じくする異分野間で有機的連携を行うことにより、研究の新たな展開や格段の発展を図るプロジェクトなどがあります。本センターの学際共同利用プログラムと連携して実施しています。
■宇宙生命計算科学連携拠点
この十数年、系外惑星観測や星間分子観測などにより、宇宙生命学(アストロバイオロジー)が注目を集めています。本拠点は、計算機科学分野との連携の下、宇宙分野、生命分野、惑星分野が協働して、宇宙における生命の起源に関わるキープロセスを第一原理計算により探究し、計算科学としての宇宙生命学を創出するものです。研究課題は、星間分子生物学、惑星生命科学、星・惑星形成を柱とします。現在、筑波大学が中心となり、20研究機関、51 名の研究者が参加しています。
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(最終更新日:2023.2.22)