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第9回 JCAHPCセミナー(第4回OFP利活用報告会)「人類と地球を護るスーパーコンピューティング」

現在,人類と地球は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) という未曾有の危機に直面しています。
問題解決に向けては「防疫」,「治療」,「創薬」など広範囲にわたり様々な手法による研究開発が急務であり,スーパーコンピュータの有する高速な計算能力,データ処理能力の貢献が期待されております。 このような状況の下,HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ (*1) ) においては,関係機関の協力のもと,関連する研究が必要とする計算資源を提供する臨時の課題募集 「新型コロナウイルス感染症対応HPCI臨時公募課題(*2)」 がおこなわれています。

最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC: Joint Center for Advanced High Performance Computing)筑波大学計算科学研究センター東京大学情報基盤センターとが共同で設立した組織です。 JCAHPCでは国内最大級の計算性能を有するOakforest-PACSシステム(OFP)を設計,導入し,2016年10月より共同で運用を開始して以来,最先端の計算科学を推進し,我が国と世界の学術及び科学技術の振興に寄与してまいりました。

筑波大学・東京大学の両センターとJCAHPCは,HPCIシステム構成機関として「新型コロナウイルス感染症対応HPCI臨時公募課題」に計算資源を提供し、新型コロナウイルス感染症に関する研究を支援しています。 2020年8月20日現在,合計13課題が採択されていますが,そのうち3課題が最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)のOakforest-PACSを使用したものであり,2課題が筑波大学計算科学研究センターのCygnus,3課題が東大情報基盤センターのOakbridge-CX(OBCX)となっており,60%以上の課題が筑波大・東大関連のシステムを利用して実施されています。

JCAHPCでは,2017年から毎年10月に「OFP利活用報告会」として利用者,JCAHPC教員により,OFPにおける研究開発事例の紹介を実施してまいりました。 第4回目となる今回は「人類と地球を護るスーパーコンピューティング」として,「新型コロナウイルス感染症対応HPCI臨時公募課題」の事例の他,OFPによるゲリラ豪雨予測リアルタイム実証実験について紹介します。 また,「新型コロナウイルス感染症対応HPCI臨時公募課題」についてはOFPだけでなく,Cygnus(筑波大,1件),OBCX(東大,2件)を利用した課題についても紹介いたします。

(*1)HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)
文部科学省が整備した日本が誇る強力な研究基盤。国立大学・国立研究開発法人に設置されているスーパーコンピュータ等を高速ネットワークで結び、多様なユーザーニーズに応える革新的な共用計算環境を提供している。
(*2)HPCIシステム構成機関の協力により実現した文部科学省主導プロジェクト。新型コロナウイルス感染症対策の研究のために 学術界、産業界を問わず、新型コロナウイルス感染症対策を行っている研究者に合計114PFLOPSの性能を有する多様なスーパーコンピュータ資源を無償で提供する臨時の公募。詳細は https://www.hpci-office.jp/


本利用活用報告会はオンラインにて開催予定です。

第9回JCAHPCセミナー(第4回OFP利活用報告会)
「人類と地球を護るスーパーコンピューティング」

日時:2020 年 10 月 15 日(木)(13 : 00 ~ 17 : 10)
主催:最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)
共催:東京大学情報基盤センター,筑波大学計算科学研究センター
   HPCIコンソーシアム
参加費:無料,「事前参加登録」をお願いいたします。

参加申込

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※必ず事前登録をお願いいたします(セミナーの前日まで受け付けます)

プログラム

時 間 講演者/表題 利 用
システム*
13:00 – 13:15 中島研吾(東京大学 JCAHPC)
Opening
13:15 – 13:45 三好建正(理化学研究所)
ゲリラ豪雨予測のリアルタイム実証実験
OFP
13:45 – 14:15 Marco Edoardo Rosti(OIST)
Spreading of polydisperse droplets
in a turbulent puff of saturated exhaled air
OBCX
14:15 – 14:45 岡田純一(UT Heart 研究所)
COVID-19治療の候補薬:
chloroquine、hydroxychloroquine、azithromycinの
催不整脈リスクの評価ならびにその低減策に関する研究
OFP
14:45 – 15:00 休憩
15:00 – 15:30 杉田有治(理化学研究所)
新型コロナウイルス表面のタンパク質動的構造予測
OFP
15:30 – 16:00 望月祐志(立教大学)
新型コロナウイルスの主要プロテアーゼに関する
フラグメント分子軌道計算
OFP
16:00 – 16:30 重田育照(筑波大学)
Covid-19 関連タンパクに対する統合的インシリコリポジショニング
Cygnus
16:30 – 17:00 星野忠次(千葉大学)
計算機解析によるSARS-CoV-2増殖阻害化合物の探索
OBCX
17:00 – 17:10 朴泰祐(筑波大学 JCAHPC)
Closing
* OFP:Oakforest-PACS、OBCX:Oakbridge-CX

本セミナーの問い合わせ先

〒113-8658 東京都文京区弥生2-11-16
東京大学 情報基盤センター

中島研吾(幹事)
E-mail:nakajima@cc.u-tokyo.ac.jp
(”@”を半角にしてからお送りください。)