プレスリリース

[ウェブリリース]次期ユニファイドメモリ型スーパーコンピューターの導入を発表

2025年6月12日
筑波大学計算科学研究センター

ポイント

  • 倍精度浮動小数点の理論ピーク演算性能は11.9 PFlops
  • AMD Instinct MI300A APUによりCPUとGPUがHBM3にキャッシュコヒーレントでアクセス可能
  • CPUとGPU間のメモリ転送が不要になり、演算効率が向上
  • 計算ノードに512 GiBの大容量メモリを搭載し、大規模アプリケーション、大規模言語モデルの実行をサポート


概要

筑波大学計算科学研究センターは、本日NEC製の新型ユニファイドメモリ型スーパーコンピュータを導入することを発表します。
新型スーパーコンピュータは計算ノードにAMD Instinct MI300A APUを4基搭載し、400Gbps InfiniBand NDR 4本で接続されます。MI300A APUでは、CDNA 3 GPU、24コアEPYC Zen 4 CPU、128GiB HBM3
が同一パッケージに搭載されます。GPUは14,592ストリームプロセッサ、912マトリックスコア、228演算ユニットをもち、倍精度マトリックス(FP64)ピーク性能は122.6TFlopsになります。CPUは3.7GHz、24コアであり、倍精度浮動小数点の理論ピーク演算性能は1.42 TFlopsになります。HBM3は広帯域メモリでピークバンド幅は5.3 TB/sです。
新型ユニファイドメモリ型スーパーコンピュータは24台の計算ノードで構成され、全体での倍精度浮動小数点の理論ピーク演算性能は11.905 PFlopsです。
ユニファイドメモリ型スーパーコンピュータでは、CPUとGPUがHBM3にキャッシュコヒーレントでアクセス可能で、CPUとGPU間のメモリ転送が不要です。これにより、飛躍的な演算効率の向上が期待されるだけではなく、GPUによる最適化のコストが大幅に低下します。計算ノードでは 512 GiBの大容量メモリを搭載し、大規模アプリケーション、大規模言語モデルを効率的な実行をサポートします。
既設Pegasusスーパーコンピュータとも200Gbps InfiniBand HDRで相互接続し、一体的な運用を行います。本システムの導入は2026年2月28日を予定しています。

諸元

全体

理論総演算性能 11.905 PFlops
計算ノード数 24
相互結合網 InfiniBand NDRによるフルバイセクションネットワーク
並列ファイルシステム 5.2PB DDN EXAScaler (100 GB/s)

計算ノード

APU AMD Instinct MI300A x 4
SSD 3.84TB PCIe Gen5 NVMe SSD x 4
ネットワーク InfiniBand NDR (400Gbps) x 4