プレスリリース

[webリリース]超巨大ブラックホールから吹く「風」の謎を解明

宇宙物理研究部門の大須賀教授が参加した研究グループの成果が、国際学術誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に掲載されました。

京都大学からのプレスリリース

概要引用

宇宙には数多くの銀河があり、その中心には超巨大ブラックホールが存在しています。ブラックホールは周りにあるガスを次々に吸い込んでいきますが、なかにはブラックホールに吸い込まれずに、外に向かって高速で吹き出すガスも存在します。強い重力源であるはずのブラックホールから重力に逆らって「風」が吹き出すのは、一見不思議な現象です。このような「風」の存在はこれまでの X 線観測から知られていましたが、どうやって吹いているのかについてはまだ分かっていませんでした。京都大学白眉センター/理学研究科の水本岬希 特定助教を中心とする国際研究グループは、X 線の擬似観測によって実際に観測されている「風」の様子を 定量的に再現し、ブラックホールの周りで生み出される紫外線の力によって「風」が生まれるということを世界で初めて実証しました。今後は、2022 年度に日本で打ち上げが予定されている XRISM 衛星を使うことで、 風の様子をこれまでにないほどはっきりと捉えることができると期待されます。 本成果は 2020 年 11 月 19 日に英国の国際学術誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society(王立天文学会月報)」にオンライン掲載されました。

論文タイトルUV line driven disc wind as the origin of ultrafast outflows in AGN

著 者:Misaki Mizumoto, Mariko Nomura, Chris Done, Ken Ohsuga, Hirokazu Odaka

掲 載 誌:Monthly Notices of the Royal Astronomical Society

DOI:10.1093/mnras/staa3282