計算科学コロキウム

第112回計算科学コロキウムを、1月30日(月)12:30~開催します。

第112回計算科学コロキウムを、1月30日(月)に開催します。
多数のご来聴をお願い致します。

場所:計算科学研究センター2階会議室D
日時:2017/1/30(Mon), 12:30-13:30
講演タイトル:高速かつ変則的に移動する物体の軌跡推定
講演者氏名:宍戸英彦
講演者所属:国立スポーツ科学センター

要旨:
本コロキウムでは,大規模空間で撮影された映像から,観測サイズが小さく,低速から高速まで大きな速度変化を伴いながら変則的に移動する観測物体を安定して追跡する手法について報告する.物体追跡処理は,スポーツ競技映像を対象としたコンピュータビジョンの応用事例として注目されていること,バドミントン競技で使用されるシャトルコックは,高速かつ変則的に移動する特徴を顕著に有する物体であることから,本研究では,バドミントンシャトルを対象とした追跡手法の実現を目的とする.対象物体の移動速度がラリー中で低速から高速まで大きく変化することによって追跡を困難とさせている問題は,モーションブラーを活用した物体の移動速度の観測により対応し,提案手法の有効性を確認した.これらの手法では,同期撮影された映像を使用することを前提としているが,非同期撮影された映像を用いた場合,撮影時刻の不一致より3次元位置を推定することが困難である.さらに,シャトルは打ち返した瞬間に,高速かつ変則的な軌道となり,観測形状が多様に変化する.従って,非同期撮影映像を用いること,観測形状が多様に変化することによって軌跡推定を困難とさせている問題に対して,露光時間の異なる複数台のカメラで撮影した映像を利用することで解決を図り,変則的に移動する物体の3次元位置推定を可能とした研究成果を報告する.

世話人:亀田 能成