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【仁科記念賞授賞式】青木慎也教授、石井理修准教授が仁科記念賞(2012年度)を受賞しました

公益財団法人仁科記念財団 2012年度仁科記念賞の授賞式・懇談会が、12月6日(木)、東京會舘で行われました。筑波大学計算科学研究センターの青木慎也(あおき・ しんや)教授、石井理修(いしい・のりよし)准教授、理化学研究所仁科加速器研究センターの初田哲男(はつだ・てつお)主任研究員の3人が受賞理由「格子量子色力学に基づく核力の導出」により選ばれ、賞状、副賞を受け取りました。

表彰式に続く受賞講演では、3人が役割分担をしました。“過去”を担当した初田主任研究員は研究分野の背景について説明し、“現在”を担当した青木教授は受賞理由となった研究の経緯について紹介し、“未来”を担当した石井准教授が今後の展望を語って最後を締めました。

受賞者(前列)と財団関係者(後列)の記念撮影。左から2人目が石井准教授、4人目に青木教授、6人目が初田主任研究員。2012度はほかに、東北大学・井上邦雄教授「地球内部起源反ニュートリノの検出」(右端)、東京工業大学・細野秀雄教授「鉄系超伝導体の発見」(右から3人目)が仁科記念賞を受賞しました。

青木慎也教授の受賞コメント
「日本の素粒子物理学の研究者にとって最も権威がある仁科記念賞に選ばれ、光栄であると同時に身の引き締まる思いです。今まで私の研究を支えてくれた多くの方々に感謝します。筑波大学の素粒子論研究室は、仁科記念賞受賞者である原 康夫先生、岩崎洋一先生、宇川 彰先生、故 梁成吉先生という蒼々たる方々が在籍され、その居室があった自然学系D棟4階は「仁科賞通り」という異名があるほどです。
現在の私の研究室は、その「仁科賞通り」にあり、これまで“肩身の狭い”思いをしてきましたが、この度、その末席に加わることが出来てほっとしています。しかし、これらの方々に比べるとまだまだ未熟である私は、諸先輩に追いつくために一層の努力をしていきたいと思います。」

石井理修准教授の受賞コメント
「この度は、仁科記念賞という素晴らしい賞を賜り、身に余る光栄に思います。当初は定性的な事実を再現できれば上出来と思っていたのですが、様々な助言をいただくことにより発展を遂げ、現在では定量的な問題への適用も視野に入れつつあります。今回の受賞を励みにして、理研のスーパーコンピュータ「京」やKEKの「Blue Gene/Q」を始めとする強力なスパコンを使用し、格子量子色力学に基づいた原子核物理の研究を、新しい仲間達と協力して進めていきたいと思います。」

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