お知らせ

スーパーコンピュータ HA-PACS(Base Cluster部)運用終了

計算科学研究センターが平成24年2月1日より運用を続けてきましたスーパーコンピュータHA-PASC(Base Cluster部)は、5年2ヶ月の計画運用期間を満了し、平成29年3月31日に運用を終了しました。同システムは本センターがCP-PACS構築以来続けてきた、超並列型スーパーコンピュータによる大規模先進的計算科学の推進研究を、コモディティ技術により実現するべく導入された高密度超並列GPUクラスタです。

同システムは、米インテル社製の当時の最新CPU (Sandy Bridge-EP )を2基と米エヌビディア社製の当時最先端のGPU (Tesla M2090)を4基搭載したコンパクトで先進的な計算ノードを268台結合した超並列システムでした。ノード単体のピーク演算性能は2.99テラフロップス(毎秒2兆9900億演算)で、これはGPUを搭載した超並列クラスタ型スーパーコンピュータとして当時の世界最高性能となりました。システム全体としての総ピーク演算性能は802テラフロップス(毎秒802兆演算)に達しました。

計算科学研究センターでは、同システムを使って素粒子・宇宙・原子核・物質・生命・地球環境の各分野における様々な計算科学アプリケーションの開発と演算加速装置向けアルゴリズムの開発を進め、主要アプリケーションのホットスポット解析とGPU化を進めてきました。

平成25年11月1日に、同システムの拡張部として稼働を開始したHA-PACS/TCAシステムは、演算加速装置とCPU間の通信や、並列演算加速装置間の通信における様々なボトルネックに挑戦し、本センターで開発されたTCA通信機構を搭載した通信ボードを装着することで、従来のシステムを大幅に上回るGPU間通信性能を持つシステムを実現しました。このHA-PACS/TCAの研究基盤としても、同システムは大きく貢献しました。

また、同システムは計算科学研究センターが展開する様々なスーパーコンピュータ共同利用プログラムである、学際共同利用プログラム、大規模一般利用プログラム、文部科学省が進めるHPCI (High Performance Computing Infrastructure) プログラムにおける共有リソースの一つとして、全国の様々な計算科学・計算工学・計算機科学の研究者に利用され、常に高い利用率で運用を続けました。

同システムの運用終了に際し、長期間に渡り同システムをご愛用頂きましたことを改めて感謝致します。HA-PACS ベースクラスタ が少しでも皆様の研究に貢献できたのであれば、大変嬉しく思います。ありがとうございました。

計算機システム運用委員会委員長
朴 泰祐