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記者会見「合体で巨大化するブラックホール」(6月13日、日本天文学会)

東日本大震災のために延期となっていた(社)日本天文学会・春季年会における記者会見が6月13日に国立天文台にて行われ、当センター所属の研究者が発表を行いました。

「合体で巨大化するブラックホール -高精度シミュレーションが解き明かす巨大ブラックホールの謎-」

記者会見出席者:
梅村雅之・筑波大学計算科学研究センター教授
谷川 衝・筑波大学計算科学研究センター研究員

概 要:
様々な銀河の中心部に巨大なブラックホールが観測されているが、まだその起源は明らかにされていない。標準銀河形成論では、多数の銀河の合体によって、より大きな銀河が生まれると考えられている。元の銀河がブラックホールを持っていれば、合体後の銀河の中に多数のブラックホールが浮かんでいることになるが、これでは観測事実を説明できない。我々は宇宙シミュレータFIRST(筑波大学)を用い、銀河内の多数のブラックホールについて、一般相対論の効果を入れた高精度重力計算を世界で初めて実現した。10個のブラックホールと50万個の星について、1億年にわたる進化を追跡した結果、ブラックホールが銀河の中心部で連続的な合体を起して巨大化することが明らかとなった。これは、銀河中心の巨大ブラックホールの起源を解き明かす上で、マイルストーンとなる発見である。この成果は、Astrophysical Journal Letters に掲載された。

研究の解説はこちらをご覧ください。

問い合わせ先:
梅村雅之 umemura[at] ccs.tsukuba.ac.jp([at]を@に変えてください)

メディア掲載情報

日本経済新聞(6/14)、毎日新聞(6/14)AstroArts(6/15)