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スーパーコンピュータ T2K-Tsukuba 運用終了

T2K-Tsukuba

計算科学研究センターが平成20年6月より運用を続けてきましたスーパーコンピュータT2K-Tsukubaは、5年9ヶ月の計画運用期間を満了し、平成26年2月28日に運用を終了しました。同システムは本センターがCP-PACS構築以来続けてきた、超並列型スーパーコンピュータによる大規模先進的計算科学の推進研究を、コモディティ技術をもって実現するべく導入された超並列PCクラスタです。

同システムは、当時最先端のquad-core processor(1つのCPUチップ内に4つのCPU core を内蔵)であるAMD社OpteronシリーズのBarcelona世代CPUをノード当たり4つ搭載し、16 coreで共有メモリを構築可能な先進的大規模PCクラスタでした。また、並列通信性能を大幅に増強するため、InfiniBand DDRリンクを4つ搭載し、演算性能と通信性能のバランスの取れた、汎用高性能計算用システムとして構築されました。総ノード数648台、総CPU core数10368基、総理論ピーク性能95TFLOPSで、平成20年6月時点のTOP500リストで日本国内第2位、同世界20位にランクされました。

さらに、同システムは筑波大学・東京大学・京都大学の三者間で結ばれた T2K Open Superomputer Alliance の下で、基本システム・アーキテクチャを共通のものとし、各サイトで開発されたプログラムコードの性能可搬性の実現、専用回線を使ったグリッド接続実験、さらにこの連携に基づく様々な計算機科学共同研究等、幅広い展開につながるマシンでもありました。

同システムは計算科学研究センターが展開する様々なスーパーコンピュータ共同利用プログラムである、学際共同利用プログラム、大規模一般利用プログラム、そして平成24年後半からは文部科学省が進めるHPCI (High Performance Computing Infrastructure) プログラムにおける共有リソースの一つとして、全国の様々な計算科学・計算工学・計算機科学の研究者に利用され、常に高い利用率で運用を続けました。

同システムの運用終了に際し、長期間に渡り同システムをご愛用頂きましたことを改めて感謝致します。T2K-Tsukuba が少しでも皆様の研究に貢献できたのであれば、大変嬉しく思います。ありがとうございました。

計算機システム運用委員会委員長
朴 泰祐