センター概要
設置経緯
筑波大学計算科学研究センターは、平成4年度に設置された筑波大学計算物理学研究センターを母体として、素粒子宇宙分野と超高速計算システム分野に加えて、物質生命分野、地球生物環境分野、計算情報学分野を強化・新設し、計算科学の研究に従事する研究者の利用に供する全国共同利用施設として、平成16(2004)年4月に設置された。
目的
計算科学研究センターは、大規模シミュレーション・大規模データ解析等を中心とする方法により、基礎科学・物質科学・生命科学・環境科学における重要課題の研究を行うとともに、これを実現するための超高速計算機システムの開発・製作及び超高速ネットワークに関する計算機科学・情報科学の先進的研究を目的とする。また、計算科学分野における、国際的研究拠点機能並びに全国共同利用研究センターとしての研究拠点機能の提供を行う。
組織
センター組織は下図のとおりであり、定員は教員34名、客員教員3名である。これに加えて、学内外の研究者約30名を共同研究員として委嘱し、幅広い共同研究を実施している。
委員会等
◆運営協議会
学外関連研究組織の研究者及び有識者、学内関連研究科の研究者、センター部門主任及びセンター長から構成され、センターの研究計画、事業計画を審議し、研究評価を行う。
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◆運営委員会
学内関連研究科の研究者及びセンター研究者(教授)及びセンター長から構成され、センターの研究計画、予算に関わる事項、並びに将来計画を審議する。
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◆人事委員会
センター教員の採用、昇任に係る選考を行う。
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研究部門概要
◆素粒子宇宙研究部門
自然界のミクロの構成要素とその相互作用から、宇宙の歴史とマクロの構造に至る自然現象の背後に潜む基本法則を、大規模シミュレーションを主たる手段とする研究により解明する。素粒子分野では格子QCDシミュレーションを中心とする研究によりる素粒子標準模型の確立とそれを超える物理の探求を図り、宇宙物理分野では、HMCSによる輻射流体力学を用いて宇宙初期の構造形成から銀河形成に至る物理過程の解明を目指す。
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◆物質生命研究部門
物質科学・材料科学の対象とするナノ物質・構造体と、生命科学の対象とするDNA、RNA、蛋白質等のバイオ物質は、いずれもナノメ−トル・スケ−ルの構造を持ち、この構造が量子力学に支配される機能発現のメカニズムを持つ点に共通の特徴を持つ。本部門ではこのような共通性に着目しつつ、ナノ物質・バイオ物質の構造の生成機構と、構造の発現する機能の関係を量子論に基づく計算科学的手法により解明し、その知見に基づいて新機能を有する複合ナノ・バイオ構造体のデザインを行う手法を開拓する。
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◆地球生物環境研究部門
地球規模での生物の環境を支配するグローバルな大気・海洋循環や、陸域における気象環境の変動予測の観測データとの相互検討による研究を行うと同時に、分子レベルでの遺伝子進化や細胞機能サイクルのモデリングと解析を行い、地球生物環境の時間的進化を探る。
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◆超高速計算システム研究部門
計算科学の基礎的研究手段である超高速計算機について、次世代の計算科学を支えるシステムの開発並びにアーキテクチャと性能評価技術等の研究を行うと共に、並列計算ミドルウエア・並列プログラミングシステム・グリッドテクノロジなどの広域ネットワーク、分散データ処理などへの研究を展開する。
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◆計算情報学研究部門
計算科学の推進を目的として、大規模な計算資源の利用により可能となる、計算知能、計算メディア等における先進的な計算機応用技術の研究開発を行う。さらに、計算科学の方法により研究を格段に加速させる研究分野の可能性を開拓する。
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◆共同研究部門
客員教官枠により、計算科学の重要分野における国内外関係研究機関との研究協力を実施する。特に、中長期的には、海外拠点の設置を含む研究協力体制の実現を目指す。
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全国共同利用
センターでは、共同利用活動として、計算科学分野の研究会を開催するとともに、センター開発の超並列計算機CP-PACSによる「大規模数値シミュレーションプロジェクト」を平成9年度より全国公募し、CP-PACSの計算力を全国の研究者に提供している。
国際共同研究, 国際交流
センターでは、アメリカ・ヨーロッパ各国との計算科学分野における共同研究を推進するとともに、国際シンポジウムの開催や、外国人研究者の招聘を行い、計算科学分野での国際交流拠点としての活動を進めている。
沿革
筑波大学は、計算科学の発展には少なからぬ役割を果たして来た。1970年代末から1980年代半ばにかけて、科学技術計算用並列計算機PACS/PAXシリーズが開発・製作され、原子炉中での中性子拡散等の具体的計算に用いられたことは、学術研究として世界的に先駆的な業績であり、さらにメーカとの連携により商品化がされたことは、産学連携の先鞭を付けるものであった。続くシリーズ5台目のQCDPAXは、科学研究費特別推進研究(予算総額3億円)により開発・製作が行われ、完成当時(1989年)世界最高速に部類する性能を実現し、素粒子物理学の研究に10年間にわたって用いられた。
これらの業績を基礎として、1992年には物理学の研究に適した超並列計算機CP-PACSの開発プロジェクトが「学術の新たな展開のためのプログラム」の研究課題「専用並列計算機による場の物理の研究」(予算総額22億円)として認められ、同時に筑波大学計算物理学研究センターが設置された。同センターでは1992年から5ヵ年をかけてCP-PACSが開発・製作され、同機は1996年11月の完成時点には614Gflopsを達成し、世界のスーパーコンピュータトップ500リストの第一位と占めた。
計算物理学研究センターでは、CP-PACSを完成後8年にわたって稼動し、素粒子の強い相互作用の基礎理論であるQCDに基づく素粒子と基本粒子クォークの性質の解明、量子力学第一原理に基づく固体水素の相構造の解明、宇宙輻射と物質の相互作用を取り入れた宇宙の階層構造形成のシミュレーション等、基礎物理学諸分野において世界的な業績を挙げた。
また、平成9年度〜13年度には、日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業「計算科学」分野のプロジェクト「次世代超並列計算機開発」を実施した。同プロジェクトでは、複合的な計算の高速な処理を可能とする新たな計算機アーキテクチャHMCS(異機種融合型計算機システム)を提案すると同時に、8.6TFLOPSの高性能を持つ実用システムを構築し、宇宙物理学における銀河形成シミュレーションに新たな発展をもたらした。
計算科学研究センターは、計算物理学分野における以上の成果を基礎として、より幅広く、計算科学の方法により、科学の諸領域の研究の推進を図ることを目的として、平成16年4月1日に設置された。
筑波大学計算科学研究センターの発足にあたり、6月、計算科学研究センター発足記念式典が行われた。また、続いて広く国内の研究者にセンターの概要とその目指す方向を紹介すると共に、計算科学の応用諸分野並びに計算機・情報科学分野の主導的研究者による招待講演とセンター研究者の講演を行い、21世紀の科学において、新たな知の発見・統合・創出を目指す計算科学の課題について幅広く展望を行うことを目的とし、「計算科学による新たな知の発見・統合・創出」−計算科学研究センター発足シンポジウム−が開催された。
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平成 4年 4月 1日 |
新プログラム研究「専用並列計算機による「場の物理」の研究」(CP-PACSプロジェクト)開始(5ヵ年計画)
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4月10日 |
計算物理学研究センター設置
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7月 3日 |
計算物理学研究センター開所式
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平成 5年 8月26日 |
センター計算機棟竣工
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平成 6年 3月 1日 |
フロント計算機システム第一期レンタル開始
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平成 7年 3月 1日 |
フロント計算機システム第二期レンタル開始
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3月30日 |
センター研究棟竣工
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4月 1日 |
卓越した研究拠点(COE)指定
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平成 8年 3月25日 |
超並列計算機CP-PACS(1024PU)完成設置
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9月18日 |
CP-PACS(2048PU)完成設置
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11月18日 |
「世界のスーパーコンピュータトップ500」リストでCP-PACSの第一位認定
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平成 9年 3月10日 〜15日 |
国際会議「Lattice QCD on Parallel Computers」(並列計算機と格子色力学)開催
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3月31日 |
新プログラム研究(CP-PACSプロジェクト)終了
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4月 1日 |
未来開拓研究「次世代超並列計算機の開発」開始(5ヵ年計画)
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平成10年 3月 1日 |
フロント計算機システム第三期レンタル開始
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3月 1日 |
CP-PACS全国共同利用「大規模数値シミュレーションプロジェクト」開始
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11月 9日 〜13日 |
SC'98 Research Exhibit 出展
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平成12年 7月 3日 〜7日 |
国際会議「The Physics of the Galaxy Formation」開催
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平成13年11月12日 〜16日 |
SC'01 Research Exhibit 出展
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平成14年 2月21日 〜22日 |
「計算科学の展望−計算物理学研究センター10周年シンポジウム−」開催
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3月 1日 |
フロント計算機システム第四期レンタル開始
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3月31日 |
未来開拓研究「次世代超並列計算機の開発」終了
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4月 1日 |
計算物理学研究センターを組織拡充の上、新たな10年時限の活動を開始
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11月16日 〜22日 |
SC'02 Research Exhibit 出展
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平成15年 7月15日 〜19日 |
国際会議「LATTICE 2003 - The XXI International Symposium on Lattice Field Theory 」開催
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11月15日 〜21日 |
SC'03 Research Exhibit 出展
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平成16年 4月 1日 |
計算物理学研究センターを改組拡充し、計算科学研究センターを設置
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6月10日 〜11日 |
計算科学研究センター発足記念式典開催 計算科学研究センター発足シンポジウム開催
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11月 8日 〜12日 |
SC'04 Research Exhibit 出展
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