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センター紹介











センター長挨拶


センター長

 超高性能計算機を用いた数値解析により科学の未踏領域を切り拓く計算科学は、科学研究の第3のパラダイムと呼ばれ、21世紀の科学の発展に不可欠のものとなってます。計算科学は、科学技術すべての分野において理論と実験・観測に並ぶ、重要かつ最先端の研究手段であることはすでに論を待ちません。計算科学はこれからの人類の諸問題を解決するのに重要な研究手段であり、先ごろ策定された第三期科学技術基本計画『6つの政策目標』にも大きく関連し、その長期的な重要性について指摘されています。
 計算科学を推進するには、高性能計算機技術と最先端科学が融合した組織の構築が必要であり、筑波大学計算科学研究センターは、前身の計算物理学研究センターが発足した1991年以来、その先駆けとして計算科学の国際的推進母体となりうる組織作りに取組んできました。
 これからのますます重要となる計算科学の発展のために、本センターにおける研究には次の2つの点が重要であると考えています。
 一つは、大規模な計算資源を使いこなし、計算科学のフロンティアを開拓する研究を行うことです。計算科学の醍醐味の一つは十分な計算力を集中して投入することで理解を深めることができることで、それはこれまでのセンターの実績を見れば明らかです。本センターにおいては集中的に大規模な計算資源が利用できる運営をしていることが大きな特徴であり、その特徴を生かした研究を進めることが重要です。闇雲に計算しても結果が得られるとは限りませんが、大規模な計算資源を使いこなす研究に積極的に取り組むことは特権であると同時にセンターにおける義務でもあると考えます。
 もう一つは、計算科学と計算機科学、また計算科学の諸分野間との連携を生かす研究を行うことです。本センターの前身である計算物理学研究センターは素粒子物理分野の計算に必要な高速計算機を計算機科学分野の研究者が開発するという学際的な共同研究で大きな成果をあげてきました。高性能計算技術をはじめ計算機科学は急速に進歩しており、その成果を十分にとりいれることはこれからの計算科学には重要なことです。また、他方、計算機科学にとっても計算科学での応用・適用は先進的なニーズとフィードバックを与えてくれるでしょう。また、計算科学の関連分野での議論は新たな視点を得る機会となります。計算科学は正に学際的な研究領域であり、本センターは、学内に3研究科、7専攻の関係組織をもち、計算科学と計算機科学の30数名にも及ぶ研究者が一体の組織として研究を行っている、世界的にみても他に例を見ない、非常にユニークな組織であると自負しています。
 Institutional Memoryという言葉があります。Wikipediaによれば、「a collective of facts, concepts, experiences and know-how held by a group of people」と解説されていますが、日本の古臭い言葉でいえば「伝統」というべきものでしょう。本センターは、計算科学に関して多くのInstitutional Memoryを持つ組織です。計算物理学研究センターから始まり、平成16年には大幅に改組を行い、人員を増強して分野を拡大、現在の計算科学研究センターになりました。その間、超並列計算機CP-PACSの開発と素粒子物理での成果など、様々な多くの成果を挙げてきました。「組織の記憶」にはこれらの成功体験だけでなく、言葉にできない、組織の環境、文化が蓄積されていて、先端の計算科学を推進する上で、他では得がたい重要な財産になっていることを感じます。これから、特別研究経費で開発をしてきた超並列クラスタPACS-CSの本格的な利用とそれを使った計算科学の推進にいままでのInstitutional Memoryを十分生かすとともに、さらにこれからの新たなInstitutional Memoryの醸成に向けて研究を推進していくことが重要であると考えます。そして、PACS-CSと中心とする全国共同利用施設として、計算科学の発展に寄与するとともに、計算科学における国際的な研究拠点としての活動を築き上げていく覚悟です。
 皆様のご支援とご助言を宜しくお願い申し上げます。

平成19年4月24日
筑波大学計算科学研究センター長 佐藤 三久
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