
計算科学は、21世紀の科学技術の発展にとって、欠くことのできない最先端の学際領域です。最先端の計算科学を推進するためには、科学の諸分野と計算機科学が一体化した共同研究が必要です。筑波大学計算科学研究センターは、計算科学と計算機科学が連携・協働を行う学際的な組織であることを大きな特長とし、「学際計算科学」をビジョンとしています。そのためには、グローバルな観点から計算科学を推進する体制を確立し、同時にグローバルな環境の中で科学を推し進めることができる次世代の人材を育成することが求められます。
本センターは、京速コンピュータ「京」と名付けられた、2012年完成予定の10ペタ(1016)フロップス級の性能を持つコンピュータを開発する、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトに関わっています。また、「京」を用いて研究を行う戦略分野の一つ「物質と宇宙の起源と構造」の戦略拠点に採択され、活動を開始しています。
さらに次の世代のスーパーコンピュータは、1018フロップスの性能を持つ、すなわちエクサスケールのコンピュータといわれています。エクサスケールの性能を達成するためには多くの技術的な課題があります。ハードウエアとソフトウエア双方の工夫だけでなく、新しい計算科学を目指してそれらを統合していかなければなりません。エクサスケールへの道を開拓するために、当センターがこれまで推進してきた「学際計算科学」のアプローチが必要になると考えています。
2011年1月
筑波大学計算科学研究センター長 佐藤三久